概要としては、1億円以上の有価証券等を所有している国内の居住者について、以下の事象があった時に、その所有する有価証券等の含み益に対して所得税が課税される制度ということです。
1、 対象者が国外へ転出する時
2、 対象者が国外に居住する親族等へその有価証券等の一部又は全部を贈与する時
3、 対象者が亡くなり、国外に居住する相続人等がその有価証券等の一部又は全部を取得する時
1億円以上の有価証券等を所有している人が対象ということで、なかなか周りにいないので、この時点であまり関わることはなさそうですが

(そういえば監査法人の同期が金融資産1億円達成したという噂を聞いたので、今度会った時聞いてみようと思っていますが)
対象となる人は、おそらくギリギリ1億円以上というより、もっと10億円、100億円というレベルの人が多いような気がします。
上場会社の有価証券報告書の株主の状況を見てみると、個人の方で普通に時価に換算すると10億円、100億円というレベルの株式を所有している方って意外にいますからね〜
一応、そういう方々が国外へ転出する時、恐ろしい金額の所得税が課税されてしまうこともあり、納税猶予の特例が設けられています。
納税管理人の届出等の手続きをして、担保を提供する必要がありますが、5年間(又は10年間までに延長可能)猶予を受けることができます。
なお、その間に有価証券等の価格が下落して譲渡や期間満了した場合は、税額は減額されるようです。
ちなみに、納税管理人は、海外に居住している非住居者が国内に不動産等を所有するなど、国内源泉所得がある場合に、代わりに確定申告を行う者です。
選任される者は個人でも法人でも構わないようです。
また、5年以内に帰国する場合は、帰国した日から4か月以内に更生の請求をすることで、帰国時も引き続き所有している有価証券等について、国外転出時課税により課された税額を取り消すことができるようです。
5年以内に帰国する場合は、納税猶予の特例を受けて、帰国したら更生の請求をして取り消すことで、納税しなくて済むようですね。(猶予の延長をすれば10年以内の帰国でも取り消すことができるようです)

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