2016年09月06日

路線価の判例、裁決について

前回は税務とは関係ないNHK批判で終わってしまったので(笑)、今回はまじめな税務関連の記事を書きたいと思います。

公認会計士試験の時に民法を選択していたこともあって、判例などの堅苦しい文章でも幸い特に苦も無く読めるので、よく税務関連の訴訟の判例や国税不服審判所の裁決を読んだりしています。

これが結構実務でも役立って、例えばお客さんから税務上厳しい処理をしたいといった要望があったりすると、判例や裁決で認められていなければ、ただ出来ませんと言うのではなく、こういった判例や裁決が出ていて、そこで棄却などされているので、税務調査でも当然否定される可能性が高いといった感じで説明すれば、大半の方は理解してくださりますし、逆に判例や裁決で納税者の主張が認められているケースでは、それに当てはまるようなケースであれば、こういう処理も判例や裁決で認められているので、可能ですよという感じで、選択肢を多く提示できたり、あるいは税務調査でも判例や裁決を把握していれば、何か指摘されても素直に認めるべきか、反論すべきかを適切に判断できます。

だいたいちょっとしたことで、税務上有利になりそうな処理はみんな考えていて、税務当局は当然認めたくないので、争われることになり、判例や裁決が出ていることが多いので、迷った時も判例や裁決を調べるのが有効ですね。

最近は、マンションの贈与の際の評価に関して争われた判例を見ましたが、納税者は不動産鑑定士による評価額を基に贈与税の申告をしたケースで、当然税務当局は評価通達による路線価に基づく評価にすべきということで、裁判で争われ、1審、2審ともに棄却され(上告はされず)、納税者が負けていました。

不動産鑑定士による評価額か、路線価による評価額かは結構争われている所なので、改めていくつかの判例の立場を見てみると、「納税者間の公平の確保などの観点から、特別の事情がない限り原則として、財産基本評価通達による評価方式(路線価等に基づく評価)によるべき」との立場が採られていることが分かります。

たまに必ずしも路線価で評価しなくてもよくて、不動産鑑定士の評価の方が安くなることがあるので、ちゃんと不動産鑑定士の評価を取った方が良いと言う税理士もいますが(だいたい不動産鑑定士と提携している方ですが…)、実は特別の事情がない限りそれは認められないのです。

では、特別の事情とはどういった事情をいうのかですが、基本的にないに等しいと考えていただいた方が良いかもしれません(笑)
というのは、そもそも路線価自体も不動産鑑定士等の評価が加味されており、その上で時価の8割くらいに設定され、さらに評価通達の評価方式では不整形地や無道路地、間口狭小地等の不利益地についても減額補正がなされるように考慮されているため、基本的に不動産鑑定士の算定する時価よりも大きくなることはないと考えられるからです。

また、著しい高低差のある土地や付近に墓地等の忌みがあるため利用価値が著しく低下していると考えられる土地などは10%の減額が認められていますが、これも争われているケースがあり、既に路線価にその要因が反映されているため、減額を認めないという判例もあるので、注意が必要です。


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posted by MK at 15:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 相続税 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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